乳がんは、日本人女性において1990年代後半から「がん」の罹患率の第一位となり、増加の一途をたどっています。現在、1年間に約5万人の新たな乳がん患者さんが見つかっています。日本では40才代後半に最も多く発生し、次に50才代前半、それ以後しだいに減少しますが、最近は高年齢層で乳がんが増加傾向にあります。
一方、乳がんの治療法は著しく進歩しています。手術はどんどん縮小され、また、ひとりひとりの患者さんの乳がんの性質に合った適切な薬物療法(くすりの治療)を行うことにより、7割以上の方が完全に治ります。更に、早期の段階で見つかれば9割の方が治ります。
何か気になる症状があれば早めに医療機関受診を、また症状はなくても定期乳がん検診を、是非お勧めいたします。
医療機関での乳がん検診と同じぐらい大切なのが自己検診(セルフチェック)です。乳がんは内臓と違って、乳房という手で触れる部位にできるため、自分で乳房をチェックすることによって早期に発見できます。
乳房にしこりなどの異常が見つかったとしても、その多くは良性ですから、むやみにあわてる必要はありません。しかしその場合は念のため必ず、乳腺外科、乳腺科などの表示のある病院やクリニックを受診しましょう。
自己検診の方法は、以下を参考に、ご自身でチェックしてみましょう。